ファクタリングに違法性はない!民法改正で更に普及が進む可能性も

2017年にファクタリング業者が初めて摘発されたとして業界で話題になったことがあります。

しかし、実体はファクタリングを装った違法な業者が摘発されただけで、ファクタリングには違法性がないのがポイントになってきます。

また、民法の改正によって今後取引できる範囲が広がる可能性があり、改めて注目が集まっているのです。

1.ファクタリング業者が捕まったというのは誤報?

2017年1月25日にファクタリング業者が逮捕されたという情報が流れ、金融界隈から大きな注目を集めました。これまでファクタリングが違法とされた例はなく、どのような内容で逮捕されたのかが注目を集める結果になったのです。
しかし、実際はファクタリングを装う取引を持ち掛けた違法業者が逮捕されただけで、ファクタリングに問題があって逮捕が行われたわけではないのに注意が必要です。
貸金業者の登録なしに売掛金を担保に融資を行っていたのが逮捕、摘発の理由であり、ファクタリングは行われていなかったのです。
ファクタリングは中小企業を中心に利用されている他、建設行や医療業界など現金収入が入るまでに時間が空いてしまう業界でよく利用されています。業界構造上手持ち資金が不足してしまうケースが珍しくなく、売掛金を担保にして資金を借りる、債権化した上で現金で買い取って貰うと言うことは珍しくないのです。
ファクタリング業者が捕まったというのは表現に問題があり、ファクタリング自体に違法性や問題があったわけではないことに注意が必要になります。ただし、ファクタリングを装って違法な取引をする業者が存在することが改めてわかったということでもあります。
ファクタリングを装った詐欺を防ぐためには、ファクタリングを利用する場合の特徴などを知っておく必要があるのです。

2.ファクタリングは有価証券等の譲渡に該当する

ファクタリングは2社間で取引が行われる場合と、3社間で取引をする場合があります。共通するのは売掛金を債権化した上で現金にかえるということです。お金が絡む取引になるためそれが違法なのか合法なのかは特に気になるポイントで、日本でファクタリングがなかなか普及しない一因にもなっています。
ファクタリングは売掛金を債権化するため、買取を行うファクタリング業者も比較的安心して買取ができるのが特徴です。もちろん、取引先企業の倒産等のリスクの調査を行うなど、不渡りがでないかどうかなど審査は行われます。審査が簡便になる2社間ファクタリングの場合は不渡りのリスクを織り込んで手数料が高めに発生することも珍しくなく、早期に現金化をしたいのか、ある程度期間に余裕があるかでも手数料に変化がでます。
それでも過去に不渡りを出している企業などでなければ買取が成立することは多く、取引の分類上は有価証券の譲渡として扱われます。有価証券の譲渡の方法は複数あり、どのような手続きをするかで価値が変わるケースもあります。しかし、サービスや商品の譲渡などではないことから消費税がかからないなど、税法上の区分もしっかりと定義されているのです。
勘定科目上でもファクタリング特有の科目が存在します。ファクタリングの手数料は売掛債権譲渡損として分類されます。勘定科目を増やしたくない企業などは手形割引と同じ区分にするケースもありますが、税理士や公認会計士も良く知った手続きの一つになっているのです。
また、消費税がかからないのは大きなポイントとも言えます。違法な業者や悪徳業者の場合は手数料に消費税を上乗せする場合や、手数料の内訳に消費税を含んで請求する場合があるためです。
有価証券の譲渡は非課税になるため、事前に知っておくと違法な業者にだまされるといった事態を防げます。

3.ファクタリング譲渡であり融資ではないのがポイント

ファクタリングで勘違いされやすいポイントの一つが、ファクタリングは有価証券の譲渡であって担保などを利用した融資ではないということです。
売掛金を債権化し、買取するのがファクタリング業者です。ファクタリング業者は売掛金から一定の手数料を差し引いたお金をファクタリング依頼者に債権の対価として支払い、売掛金の支払期日に売掛金発生元からお金を回収します。
手数料を収益の柱にしているのがポイントで、債権の回収を代行するかわりに手数料を得る仕組みと見ることも可能です。ファクタリングの利用者からすれば手数料を支払うかわりに前払いをうけているような感覚が近くなります。
売掛金を払う事業者は回収する業者が代わるだけになり、支払い額が変わらないのがポイントです。債権譲渡前に回収する業者が変わることを知らせる3社間ファクタリングと、債権譲渡前に知らせがない2社間ファクタリングがありますが、根本は変わりません。
売掛金回収時の不渡りのリスクをある程度手数料に織り込んでいるのもポイントで、不渡りがでても一度支払ったお金の返還請求がない場合もあります。ファクタリング業者によって契約内容や支払いのタイミングなどが異なるものの、ファクタリングが不渡りを回避するためのリスクヘッジとしても使われる理由になっています。
ところが、売掛金を担保に融資をうける場合は、不渡りが発生した場合に支払いのトラブルが拡大する恐れがあります。融資をうけるために差し出した債権自体に問題があり、金融機関から融資したお金を戻すように請求される場合があるのです。
また、前述のファクタリング業者を装って逮捕された業者のように、貸金業の登録をしていなければ取引自体が違法になる可能性もあります。
もちろん、融資をうける方がメリットがある場合もありますが、ファクタリングも3社間であればかなり手数料が低くなるのが一般的です。ファクタリングと売掛金を元にした融資の違いを理解した上で利用することも大切なのです。

4.今後ファクタリング活用の幅が広くなる可能性がある

ファクタリング利用を考える場合は、2017年の法改正を知っておくと更に便利になります。工事請負や生産受注などの現場では債権譲渡禁止特約が結ばれる場合があります。これは債権譲渡が行われることによって支払いトラブルが起きる可能性があるためです。そのため、トラブル防止を目的にあらかじめ債権が譲渡できないように契約に盛り込む場合があるためです。
しかし、2017年5月に民法が改正され、2020年4月1日から債権の譲渡性が大きく変わります。債権の譲渡が禁止、制限されている場合は債券を譲渡しようとしても成立しない状態になっていました。しかし、2020年4月1日は禁止や制限の特約があっても債権譲渡が成立するようになったのです。これにより債権の流通がより柔軟になり、ファクタリングなども普及しやすくなる可能性があります。
ただし、債権譲渡が可能になっても債務者が譲渡の事実を知らなかった場合に限り、支払いを拒否し、本来の債権者に支払うことが可能なのもポイントになります。譲渡の事実さえ知っていれば問題がないという解釈も可能なため、今後ファクタリング業者などでもさまざまな対応がされることが予測されます。
債権譲渡禁止特約がない売掛金であれば、より気軽にファクタリングができるということでもありますが、禁止特約があってもファクタリングができる可能性がでてくるのです。

5.ファクタリングに違法性はない

ファクタリングに違法性はなく、過去の逮捕例などはあくまでファクタリングを装ったものです。資金管理の手段として取り入れている企業は珍しくなく、民法改正によって今後より柔軟に利用される可能性もあります。
ファクタリングを利用する場合は取引の違法性を気にするのではなく、安心できる業者を選ぶことに気を配った方がいいのです。